人参に含まれるカロテンとはどんな栄養素?
野菜や果物などの色素成分
動物や植物中に含まれる天然色素成分の総称をカロテノイドと言います。
カロテノイドには、橙色のβ‐カロテン(人参やかぼちゃ)や
橙赤色のリコピン(トマトやすいか)、赤色のアスタキサンチン(鮭やいくら)などがあります。
体内でビタミンAに変わる
ビタミンAは過剰摂取すると身体に悪影響を及ぼすことで知られています。
β‐カロテンはプロビタミンAと呼ばれ、体内で必要な分だけビタミンAに変換され
るため過剰症の心配がありません。(サプリメントの摂取は除きます。)
ビタミンAは皮膚や粘膜を丈夫にしたり、視力の維持や、がんの予防、免疫力の強化、
アンチエイジング効果など体内で重要な働きをします。
しかも、ビタミンAに変換されなかったβ‐カロテンも強い抗酸化作用を持っているため
様々な健康効果が期待できることが分かっているんです。
β‐カロテンの量はトップクラス
人参のβ‐カロテン量は野菜や果物の中でもトップクラス!
【人参100g中の栄養成分】
エネルギー(kcal) | 30 |
たんぱく質(g) | 0.8 |
脂質 (g) | 0.1 |
炭水化物 (g) | 8.7 |
食物繊維 (g) | 水溶性 0.6 不溶性 1.8 |
β‐カロテン当量 (㎍) | 8300 |
【緑黄色野菜100g中に含まれるβ‐カロテン当量】
※β‐カロテン当量とはビタミンAの働きをするカロテノイドをさします。
・しそ 11000μg
・人参 8300μg
・かぼちゃ 4000μg
・ほうれん草 4200μg
・春菊 4500μg
他の緑黄色野菜を並べてみても人参のβ‐カロテン量は比較的多いことが分かります。
※厚生労働省では、原則として可食部100g当たりカロテン含量が600µg(マイクログラム)以上の野菜を緑黄色野菜としています。
また21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)では緑黄色野菜を1日120g摂取することが国民一人当たりの目標とされています。
参考文献 厚生労働省ホームページ
【β‐カロテンの期待出来る効果とは?】
天然の色素成分であるβ‐カロテンやリコピンなどのカロテノイドは、
強い抗酸化作用を持ち、体内に溜まった活性酸素を除去する働きがあります。
体内で必要な分だけビタミンAに変換されたあと、残りのβ‐カロテンは活性酸素を原因とする
がんや心臓病、動脈硬化の予防などにも効果が期待されています。
おすすめの調理法
人参にはビタミンCを破壊する酵素が含まれています。
この酵素を止めるにはお酢か50℃以上の加熱が必要です。
またβ‐カロテンは脂溶性なのでバターを使ったグラッセや
油で炒めてきんぴらにするといった調理法も吸収率がより高まります。
皮にも多くの栄養が含まれており、皮ごとミキサーにかけて
果物と合わせてジュースにするなども、より栄養効果を高めてくれます。
まとめ|活性酸素から体を守る
β‐カロテンは体内でビタミンAに必要な分だけ変換され、
それぞれ体にとって重要な働きをすることがわかりました。
・皮膚や粘膜の健康を維持して美肌に
・目の健康を保ち視力改善
・がんを予防・抑制して元気なからだ
特に人参にはβ‐カロテンが豊富に含まれており、油と一緒に調理することで
効率的に摂ることが出来ます。また抗酸化作用により体のさびを取り除き
血行を促し、冷え症を改善する食材としてもとても重要です。
人参は彩りとしても良いですが、栄養面を考えた時には生で食べるより加熱調理をして
積極的に摂っていきたい食材ですね。
あわせて読みたい>>「冷え対策おすすめ食材(悩み別)」
コメント