食品添加物は危険?無添加は安全?~上手に付き合う方法~

食べ物の栄養

どうも、元栄養士のおもちです。

コロナ禍でおうちで過ごすことが増え、健康について見つめ直す機会が
増えているかと思います。

そこで食と健康を考えたとき、私は体に害があると思われやすい食品添加物について、
もう一度改めて向き合う必要があると感じました。

日々の食事で私達はどれだけの食品添加物と関わっているのでしょうか。

まずは食品添加物とは何か、危険性や無添加の安全性などについて一緒に考えてみませんか?

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食品添加物とはどんなもの?

数多く存在する食品添加物がどのように定められているのか、
分類や使用する目的について紹介したいと思います。

全部で1000種類以上存在する

食品添加物は大きく2つに分類されます。

厚生労働大臣が指定した添加物とその他の天然添加物です。

その数は、全部で1000種類以上にも及びます。

【食品添加物の分類】

厚生労働大臣が指定したもの指定添加物(472品目)
その他の天然添加物既存添加物 (357品目)
天然香料 (約600品目)
一般飲食物添加物 (約100品目)

安全が確保された添加物

厚生労働省では、食品に対する有効性や人の健康への安全を確保するために、
様々な取り組みが行われています。

食品に対して添加できる上限値を決める使用基準の設定や
既に市場で売られている食品が1日摂取許容量の範囲内にあるかどうかの調査などです。

1日摂取許容量(ADI)とは人が毎日一生涯摂取し続けても、健康への悪影響がないと指定される1日当たりの摂取量
を意味します

生産性・保存性・品質の向上

食品衛生法に基づき、食品添加物は様々な用途で使用されています。
主な種類と目的をあげましたが、他にも沢山の種類が存在します。

【主な食品添加物の種類と目的】

種類(用途名)目的食品添加物の例(物質名)
甘味料食品に甘みを与えるキシリトール、アスパルテーム
着色料食品に色を付け、調整するクチナシ黄色素、コチニール色素
保存料カビや細菌の繁殖を抑え、保存性を高めるソルビン酸、しらこたん白抽出物
防カビ剤輸入の柑橘類などのカビの発生を抑えるオルトフェニルフェノール
発色剤ハム・ソーセージなどの色調を改善する亜硝酸ナトリウム、硝酸ナトリウム
調味料食品にうま味などを与え、味を調えるL-グルタミン酸ナトリウム
乳化剤水と油を均一に混ぜ合わせる植物レシチン


この他にも、増粘剤、安定剤、ゲル化剤、酸化防止剤、漂白剤、香料、酸味料
pH調整剤、膨張剤などの種類があります。

これらの食品添加物を使用することにより、製造の生産性や保存性、品質(見た目や美味しさ)、
安全性(細菌の繁殖を抑える)を高めることができます。

食品表示には一部例外がある

食品添加物は、原則として全て物質名を表示することになっています。
しかし、食品衛生法に基づき、一部例外があり、全てが表示されるとは限らないのです。

つまりどういうことか、「お菓子」の表示方法を例にして見ていきましょう。

<表示例> お菓子の食品表示

名称    菓子

原材料名  小麦粉(国内製造)、砂糖、植物油脂(大豆を含む)、
      鶏卵、アーモンドバター、異性化液糖、洋酒、でん粉

添加物    ソルビトール、
      膨張剤、香料、乳化剤、
      着色料(カラメル、カロテン)、
       酸化防止剤(ビタミン E、ビタミン C)


添加物に書かれている表示を見てみると、食品添加物でも
表示方法が違うことが分かります。

一括表示されている赤色の部分
膨張剤、香料、乳化剤にはそれぞれ物質名が表記されていません。

用途名+(物質名)が併記されている青色の部分 
着色料、酸化防止剤にはそれぞれ物質名が表記されています。


なぜ、表示がバラバラなのでしょうか。

それは、食品衛生法により(下の表を参考)
用途名の表示が義務付けられていたり、一括名表示が認められているものが食品添加物の用途によって違うからです。

食品衛生法で定められている食品表示の例外         該当する用途名
用途名の併記が義務付けられている甘味料、発色剤、着色料酸化防止剤、保存料、
漂白剤、防カビ剤、糊料(増粘剤、ゲル化剤、安定剤)  
一括名表示が認められている酸味料、香料、pH調整剤、イーストフード、乳化剤
調味料、膨張剤、かんすい、ガムベース、
チューイングガム軟化剤、豆腐用、凝固剤、
苦味料、光沢剤、酵素
表示しなくてもよいとされている・最終的に食品に残っていない添加物
・残っていても量が少ないため効果が発揮されない添加物
・栄養強化の目的で使用される食品添加物


先ほどのお菓子の表示では、
着色料、酸化防止剤の用途名の表示が義務付けられ、
香料、乳化剤、膨張剤が一括表示が認められているから表示がバラバラだったんですね。

更に、もう一つ・・

③簡略化が可能

同じ成分ですが、簡略化されると名前が変わったり表記が変わったりします。
先ほどのお菓子の表示例では、ソルビトールの物質名は正式名称は「D-ソルビトール」ですが
「ソルビトール」で簡略されていました。

【他の簡略化の例】

亜硝酸ナトリウム 
⇒亜硝酸Na

硫酸アルミニウムカリウム 
⇒ミョウバン

L-グルタミン酸カリウムおよびL-グルタミン酸カルシウム
⇒グルタミン酸塩(K、Ca)


とにかく食品表示は、気にすれば気にするほどややこしい・・

食品表示の一部には、複数の添加物が全て1つの用途名でまとめられて表示されるものがあります。

私達は食品表示を見ても、全ての食品添加物の成分を把握できるわけではないのです。

食品添加物との上手な付き合い方

私たちは今後目に見えにくい食品添加物と、どのように向き合って行けばいいのでしょうか。

食品添加物の危険性を考える

厚生労働省で1日摂取許容量の調査など行われて基準にクリアしたものだけが
食品として売られています。本当に私たちにとって安全なものなのでしょうか。

味覚に対する危険性
化学調味料、たんぱく加水分解物、酵母エキスなどの添加物は、
食品のうま味や美味しさの品質を上げるための成分です。

更にアセスルファムカリウムやアスパルテームは砂糖の200倍
スクラロースは砂糖の600倍の甘みを作り出す甘味料と言われています。

こうした化学的に作られた添加物を多く摂り過ぎると、
だんだん本来の素材の味わいを感じにくくなり、味覚障害を伴う危険性があります。

しかしながら、これらのリスクがあるにも関わらず食品添加物は避けるのが難しい
のが現状です。

その理由として、

食品表示を見ても全ての物質名を把握することが出来ない

複数の食品を食べた時、体内での複合的な化学反応による毒性はわからないどれが安全でどれが危険かという成分ごとの線引きが難しい



などがあげられ、本当のところの安全性が未知な部分が多いのです。

「無添加」「不使用」表示は本当に安全か?

食品の「無添加」や「不使用」の表示は、基準が定められていない為、
決して食品添加物を100%使用していない訳ではありません。

例えば、「保存料不使用」と書かれていても、該当する食品添加物が使用されていない
ことを表すだけで、同一機能を持つ他の添加物が製造過程で代用されている場合があるのです。

このように基準が曖昧な「無添加」表示をされることによって誤解が生まれ、
消費者である私達は、ますます正しい情報が分からなくなり、不安になってしまいます。

食品の「無添加」や「不使用」の表示は、決して食品添加物を使用していない
から健康、安心という意味には直結しません。そのことを頭に入れた上で、食品表示を確認することが大切なのかもしれません。

※現在、この現状を踏まえて消費者庁では、「無添加」の表示に対して
消費者が誤解を招かないように、新たな食品表示基準を策定する動きがあるようです。
(2022年3月頃、新たな動きがあるかもしれません。)

また新しい情報が分かり次第、お伝え出来たらと思います。

まとめ|正しい知識を身に付けてより安全、より安心な食品を選ぶ

食品添加物は体に悪影響を及ぼす可能性があると言われているだけで
全ての加工食品を避けて生活していくことは正直不可能なのかもしれません・・。

・同じ商品を比較した時により添加物の少ない商品を選ぶ
・素材の味を活かすような自炊の機会を増やす
・わからない成分があったら調べる

このような事から始めてはいかがでしょうか。
添加物に限らず、何でも余計な量を摂り過ぎることは体に悪いですよね。

より良い商品を自分で選択出来るようにする為に、日々更新される正しい情報や知識を調べて身に付け、更に継続できるような環境に少しずつ自分で整えていくことが大切だと考えられます。

この記事を通して一人でも多くの方に、食生活をより良いものへと考え直すきっかけになれば嬉しいです。

参考・引用元  厚生労働省 食品添加物
        日本食品添加物協会
        消費者庁 食品表示企画

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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